さまよえるLOVEずっきゅん

大阪の広告制作&ライター事務所 ラッキー・スター。 コピーライター&ライターが気まぐれに綴るたわごと。

2014年11月

取材の重要性 後篇

前回、取材を重要視する制作スタンスについて書いた。
今回はその続きである。

取材が十分にできていないと、
その会社、商品、サービスの本質をとらえることができず、
イメージに頼ったありきたりの広告になってしまう。
社名や商品名を入れ替えれば、競合他社・競合他商品に
そのまま使える「首のすげかえ」が可能な広告である。
特に新聞や雑誌といった平面媒体を手がける際には、
その会社や商品のオンリーワン性を重視している。
本分はもちろんのこと、キャッチコピーもその会社の広告以外には
流用できないであろうレベルにしたいのだ。
なので、その会社や商品についてはできるだけの資料を集め、
どの部分を最大の魅力としてアピールするかを考え、
さらに、「うちはここが他と違うよ」、「ここが新しいよ」を
いかにうまくわかりやすく、心をとらえる表現にするか、を考える。

しかし、仕事の場合はその資料集め、
すなわち取材が十分にできるのだが、
公募の広告賞の応募となるとそれがどうしても不十分になってしまう。
賞の課題に対してできる資料集めとなると、
せいぜいWEBサイトからの情報収集と、
そこまですることはめったにないが、
商品を入手したりサービスを体感して得られる情報くらいだろう。
あとは、その周辺から情報を探してみるといった程度になる。
そうなるとどうしてもできあがる内容も濃さに欠けるものになってしまう。
ただ、それは他の応募者の皆さんも同じ条件であり、
材料が少ないなら少ない中で、いかにいい味付けをして、
おいしいものに仕上げていくかが腕の見せどころであろう。

私はまだその手法が下手であり未熟なので、
時には辛みが強すぎたり、甘ったるい味のものを作ってしまうこともある。
しかしここでも、「可もなく不可もなく平坦な味」は作りたくない。
食べたあと、何の余韻もなく、印象にも残らないであろうからだ。
それでは意味がないだろうと思う。
しかし、「辛すぎて食べられない」とか、
「ゲテモノすぎて食べる気になれない」といったところまでやるのは、
作った本人が喜んでいるだけで、
食べさせられる側には悪い印象しか残らず、
逆効果になるだろうと思う。

取材の重要性

広告原稿を書くにあたって最も重要視しているのは
「他社・他用品との差別化」である。
その会社・商品・サービスのオンリーワン、
あるいはそれに近い表現の内容にしたいと考えている。
なので書いたコピーが、社名や商品名を変えれば
同業他社、同種商品の広告としてそのまま流用できる、
そのようなことになるのはいやだ。

その考えかたをたたきこまれたのは、
大学卒業後最初に入った会社である。
そこは当時求人広告専門の代理店で、R社の専属代理店だった。
営業職として入社した私は、求人情報誌の売り込みかたよりも
取材の進めかたを重点的に教わった。
募集する職種・給与額・待遇その他のデータ的なことから、
その仕事の内容、なぜ募集をするのか、会社の今後のビジョン、
その他あれこれ、多い時には大学ノート5~6ページ分くらいが
ぎっしりうまるくらいの聞き込みをした。
そしてその内容を制作部のスタッフに説明しながら、
どういった内容の原稿にするかを相談した。

当時よく社長から言われていたのが、
「君たちはスペースブローカーではない、プランナーだ」である。
売るものは広告スペースではなく、
人材の採用を果たせる広告企画である、そのような考えかただ。
取材の重要性、オンリーワンを追求する手法、
それらは今も大事にしており、
広告の仕事をするうえでの血肉であると思っている。

独立するまでにいくつかの代理店に所属したが、
その会社のレベルの高さは群を抜いていた。
今その会社はR社から離れて自社媒体(求人情報サイト)を運営し、
R社を含む競合他社を抑えてトップもしくはそれに近い位置にいる。
そうなったのは掲載されている求人情報の内容の濃密さにより
信頼感と高い広告効果が要因であろう。
いくら大資本の会社が参入しても、
内容が薄っぺらであれば淘汰されていく。
生き残って拡大を続けるのは理由があるのだ。

今から思えば、何の知識もなかった白紙の状態で
最初にいい会社に出会えてよかったとありがたく感じている。
いろいろとあって1年半ほどで退職したのだが、
仕事がいやになってやめたわけではない。
そして、その短い期間で得られたものは、
広告の仕事を続けるうえでの一生ものの財産だと思っている。
ギャラリー
  • 大阪コピーライターズクラブ
  • 大阪コピーライターズクラブ
  • どうすべきか考える
  • 宣伝会議賞リタイア寸前
  • オリックス・バファローズあるある 絶賛発売中
  • てへぺろ
  • 複雑な怒りの気持ち
  • オリックス・バファローズあるある 発売1か月後
  • 捨てた日も、散歩と思ってよろこんで出かけて行った
アクセスカウンター

  • ライブドアブログ