今回、最後の最後まで訂正を繰り返した記事がある。
西勇輝投手の開幕連勝記録の記事である。

4月初めの初回入稿時は

「今年の西は期待できる」といった内容の記事であった。

だが、開幕後に勝ちを重ねて4月末の時点で5連勝を果たし、

ちょうどその際に球団事務所の記事チェックにより、
差し替えが必要な記事が多数出たこともあり、

いっしょに内容を変更して入れておくかと

「球団史上75年ぶりの開幕5連勝」といった内容に改稿した。


しかし、その後6連勝、7連勝と勝ちを重ね、

そのたびに慌てて記事を書きなおして再入稿を繰り返し、

「開幕7連勝、75年ぶりの球団タイ記録」が最終稿となった。


だがしかし、その数日後、

西投手は球団新記録の開幕8連勝を達成してしまう、
あっ違った、達成する。

しかし、本は「7連勝のタイ記録」で発行される。

不可抗力のようなことではあるが、ちょっと残念に思う。

数年前、西投手はソフトバンクとのシーズン最終戦に登板し、

その試合が小久保裕紀選手の引退試合、
いわばメモリアルゲームであるのに、
ノーヒット・ノーランを達成してしまい、「KY」と言われたことがあった。

その時の関係者の気持ちがなんとなくわかったような気がする。


けど、次代を担う投手の台頭は喜ばしいものであり、

今シーズン、これからの活躍にも期待したい。
残念ながら連勝は8で止まってしまったが、

今チームの勝ち頭であり、
躍進を支えている大きな戦力であることには間違いない。

今回の執筆に関しては、

もともと阪急ブレーブス時代から興味を持っていたチームであり、

今回もわりと楽しんで書くことができたのだが、

またいつか、

オリックス・バファローズに関しての原稿を書く機会があるなら

たぶん今回よりも充実したものを書けると思う。

今回取材や情報収集を重ね、記事を書くことで

オリックスというチームに対しての深い思い入れができたからだ。

最後になりましたが、
今回のこの仕事を発注してくださったTOブックスの深澤様、
最高のイラストを描いてくださった福島モンタ様、
打ち合わせにご協力を頂いたオリックス球団の森川様、
取材に快く応じてくださった皆様、

この本の出版にかかわり、ご尽力をくださった関係者の皆様、

言葉にならないくらい深く感謝しております。
ありがとうございました。


オリックス・バファローズあるある篇  完


オリックス・バファローズあるある [ 佐藤信一郎 ]
オリックス・バファローズあるある [ 佐藤信一郎 ]