特に公募の広告賞に多くみられるのだが、
コピーのないビジュアルだけの作品がある。
ビジュアルだけでも意味がわかり、また心を動かす力のある作品も多い。

しかし、私個人的に紙媒体の広告でコピーがないものってのは
物足りない、というか「もったいない」といった気がしてならない。
それよりも文章を主体にした「読ませる広告」が大好きだ。

しかし、一般的に新聞広告やポスターの場合は、
コピーよりもデザインを重視した視覚に訴えかける広告が多い。
コピーべたべたの広告は反主流的である。

私は昔、求人情報誌の求人広告を主として作っていたことがあるが、
その時も頂いたスペースにぎっしりびっちりと
文章を書き込んだ原稿を好んで作った。
広告主の「こんな感じで作ってくれ」といった希望で
ビジュアルものを作ることもあったが、
希望や指示がなければ文章満載型のものばかり作った。
そして、応募効果は文章型のほうが高かったと思う。
特に採用後の定着率では文章型が完全に優っていた。
視覚的なイメージでなんとなく入ってきた方より、
その会社のより多くの情報を文章によって得てからきた方のほうが
後々の定着もよかったようだ。

もちろん求人広告と一般の商業広告とは、
その性質も手法も違うが、それでもビジュアルものとコピーものとでは
心に響くものや残るものに大きな違いがあるのではないかと思っている。

新聞社主催の一般公募の広告賞についても、
上位にはいる作品はビジュアルものが多いのだが、
それでも私は文章がいっぱいの「読ませる広告」が好きだ。
なので、今後もそのような賞に応募する場合は、
主流のビジュアルものも作ることは作るが、
それと併せて別にコピーいっぱいものも作って出すだろうと思う。