先日、駅で切符を買っている時、
駅員と乗り場をたずねる乗客との会話が耳に入ってきた。
「まず、改札に入って頂いて、ホームに出たら、
 右に曲がって頂いて、10メートルほど先の右手に階段がありますので、
 そこを下りて頂いて・・・」
何の意識もしていないのに勝手に耳に入ってきたのは、
やたらに耳につく変な言いまわしが混ざっていたからだろう。
どこがおかしいのかは言うまでもなくおわかりになると思う。

こういったおかしな表現や言い回しは日常のあちこちで耳にする。

よく話のネタで使われるのが、スーパーやコンビニのレジで、
「1000円からお預かりします」である。
「から」って何だよってことだ。
何なんだろうね。
めんどうだし、さんざん語られていることだろうし、
ここでは追求せずに流しておく。

また、数年前の話だが、あるボクシングジムにおいては、
トレーナーが練習生にパンチの打ちかたを指導する際に、
「そのかまえからまず、右足のつま先を軸にして、
 膝と腰を回してあげて、背中と肩が回って、
 拳を打ち抜いて・・・」
と説明しているのを耳にした。
どこがおかしいのかは言うまでもなくおわかりになると思う。

「・・・」も本当は「……」と書くのが正しいのだが、
広告コピーでは3つで切ることが多い。
私もよくそうするが、文字のバランスとかを考えてのことで、
必ずしも文法どおりにしなくてもいいと思っている。

書き言葉の例が出たところでもうひとつ、
「他人に対して気をつかう」は「気を使う」ではなく「気を遣う」が正しい。
ただし、私はそれを書くとき「気をつかう」とひらがなにすることが多い。
なぜなら、「遣う(つかう)」と「違う(ちがう)」が似ているからだ。
数年前に女優の佐藤江梨子さんが「気遣い喫茶」という本を出した。
その時私は、ぱっと見でそれを「気違い喫茶」と読んでしまった。
その言葉は広告では絶対使用禁止用語である。
放送に置いても放送禁止用語であろう。
そんなわけで、私はそこではあえてひらがなを使うことにしている。

あと、最後になったが、先ほど書いた「あるボクシングジム」とは、
実はうちのジムである。
他人事のように書きながら、実は身内のことだったのだ。
いやいや申しわけない。
ついでではあるが、「他人事」は「たにんごと」ではなく「ひとごと」と読む。

いやー、日本語って、自分的には簡単に読み書きできるようで
実はチョー難しいって感じっすね。